金髪の不良君とクラス委員をやることになりました!!

「それって、特定の人のこと言ってる?」


やっぱり椿君は鋭い。


「えっと……うーん……どうだろう……」


笑ってごまかしてみたものの、全て見透かされているような気がしちゃう。


「じゃあ、逆に嫌いなタイプは……?」


「うーん……そうだなぁ。特にはないけど……あえていうなら……嘘をつく人……かな?」


「嘘をつく……人?」


「うん。相手の為を思ってつく嘘なら……その人の優しさだと思うけど、自分の利益の為に嘘をつく人はあんまり好きじゃないなぁ」


「そっか。そうだよね……。如月さんの言う通りだ」


椿君は目を細めてふっと笑うと、そのまま口を閉じた。


「やっぱり俺はあいつには勝てないのかな……」


椿君がそう言ったような気がするけれど、気のせいだったのかもしれない。


夜空に浮かび上がる花火をあたしと椿君はお互い黙ったまま見あげていた。
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