エクセル・インフェルノ
いきなり現れケルベロスの首一つを落とした、その見知らぬ女に向かいデスサイズは声を荒げ質問していた。
『何だ貴様は!そして何故に武器を装備している!全プレーヤーに、まだ武器は与えていないはずだ!』
そのデスサイズの問いに女の人はニヤリと笑ってから答えた。
「誰って私もプレーヤーよ。ふふ」
『ふざけるな!プレーヤーならば皆が同ステータスの筈だ!例外は与えていない!ゆえに現時点でケルベロスに勝てるプレーヤーなど居ないはずだ!』
「はぁ。うるさいわねぇ……現に居るんだから仕方ないじゃない?なら見せてあげるわよ面倒くさいけどね。何で私が武器を持ち尚且ケルベロスに勝てる力があるのかの秘密をね?クスッ」
そう言って悪戯な顔で笑った見知らぬ女性は中指で空を撫で、そしてシステムウィンドウを開き自分のステータスをデスサイズに見せていた。
『……!?な、なんだそのステータスは!攻撃、防御、回避、命中全てがMAXの999だと!……貴様やはりプレーヤーでは無いな!何者だ!』
(全てが999!……な、何者なんだ……このお姉さん!?)
「良いわね、その『何者なんだ!』って言う台詞。悪のボスの雰囲気出てるわよ?ふふふ」
デスサイズに一歩も引かず、且つ馬鹿にし続けている、謎のお姉さんは更にデスサイズを驚愕させる。
「てかさ。私の強さの秘密は全て職業見れば解るわよ?」
その言葉に慌てデスサイズは職業の項目を凝視していた。
『な、な、なんだ!その職業は!そんな物は、このエクセル・インフェルノには無いぞ!『アルス・マグナの伝説の勇者』だと!貴様どこまで私の世界を荒らすつもりだ!』
『伝説の勇者』……そのデスサイズの言葉を聞き俺は、その勇者の姉さんの頭の上の名前とHPを直ぐに確認した。
(名前……リリア……HPは……バーが六段
!す、すげぇ!)
俺に生きる希望……デスサイズへ必ず復讐してやる!と言う気持ちが勇者の姉さんの出現により、また取り戻す事が出来た。