エクセル・インフェルノ
勇者の証
目を開け見渡すと辺り一面大きな樹や建物、山もない様な平地。
随分と遠くに来たのかと勇者の、お姉さんに尋ねた。
「ここは?えっと勇者の……お姉さん?」
「プッ。呼び難そうだし私の事はリリアで良いわよ?」
そう言って笑ったリリアの顔を見て思わず目を反らしてしまった。
「ところでリリアさん……これからどうするんですか私達?襲われてる皆を放置してまさか私達だけ逃げるなんて……事は」
一緒に来た女の子が、そうリリアに尋ねたのを聞き俺は向き直し、そして何気に彼女の頭の上に表示されてる名前を見てしまった。
「リオナ……」
「えっ!?」
いきなり名前を呼ばれた彼女は、驚き俺の方を振り向いた。
「あ、いや。名前だよ。ほら、上に表示されてるだろ?」
「あ、そっか。うん……私はリオナ。さっきは言えなかったけど助けてくれてありがとう……えっと……ソウマ君」
どうやら彼女……リオナも俺の頭の上に表示されている名前を勝手に読んだらしい。
「ソウマで良いよ」
俺が、そう言うと彼女もニコリと笑い「じゃあ、私の事もリオナで良いよ」と言った。
二人が自己紹介し合っていると「コホン!」とリリアが咳払いし割り込み話しを再開した。
「自己紹介も済んだみたいだし、とにかく余り時間も無いから進めるわよ?」
そう言ったリリアは俺達を、ここに連れて来た理由を話した。
それは安全な場所で武器を譲渡する為と戦い方をレクチャーする為だとリリアは言った。