エクセル・インフェルノ
デスゲーム
「よっ!帷(トバリ)?」
そう背後から不意に声をかけられ少し身体をビクリッ!とさせ振り向いた。
「な、なんだ夏生か驚かすなよ……って!何で俺だって直ぐに解ったんだ!?」
「なぜって……帷だから帷だろ?なに言ってんだ?」
「えっ!い、いや……だって俺達はゲームにダイブして……それで……あれっ?そう言われて見れば夏生も、まんまだな?」
変な事を口走ったのは、ここは現実世界では無く今、俺がいる場所はゲームの中……つまり仮想世界だからである。
「そうなんだよ。ログインして気付いたがアバターとかの選択も何もないんだよなぁ。現実世界のまんまの姿でプレイするって事か?」
「うーん……」
夏生に聞かれ顎に手を置き頭の中を整理して見た……
今日発売の販売台数限定10000万本のゲーム『エクセル・インフェルノ』を夏生と買いに行った。
そして購入した俺達は、直ぐに俺の家に帰宅して二人でヘルメットでも入ってるんじゃないか?ってくらいの少し大きめなゲームソフトの箱を開けた。
すると中には箱の割には、たいした大きな物は入っておらず。中にあったのはゲームソフトと少しイカツイ感じのサングラスみたいな機械。
そして更に箱の奥を覗くと警備員が持っている様な棒状の機械が入っていただけだった。
何の機械か解らず付属されていた説明書を読むとゲームを始める前に軽い健康チェックをする為のスキャナーだと書いてあった。
なので説明書のやり方に従いコンセントを差し、二人で一緒に頭の上から爪先までをユックリとスキャナーしてた事を思い出した。