エクセル・インフェルノ
暫く二人で、この世界を堪能し眺めていたら……突然、女性の声で『アナウンス』が流れて来た。
『この世界にログインしたプレーヤーが販売台数と同じ10000人になりました。よって今よりゲームマスターから、このゲームの説明があります。速やかに皆様を会場に集める為、これより転送致します』
そのアナウンスが終わると同時に夏生を見ると夏生の身体全体が青白く発光していた。
光りを帯びる夏生を見て慌て直ぐに自分の手や脚を見ると夏生と同様に青白く発光していた。
「なんだよ、これ……夏生!」
夏生に叫ぶと同時に視界が暗くなり何も見えなくなった。
「帷!帷!大丈夫か!」
夏生の叫び声に気付き閉じていた瞼を勢い良く開けた。
「……夏生!無事か!」
「あぁ。どうやら自動的に会場に飛ばされただけらしいぜ。周り見てみろよ?」
夏生に言われ辺りを見ると沢山の人……ゲームにログインしたと思われるプレーヤー達で会場らしい場所は、ごった返していた。
「これ全員が……?」
「あぁ。俺達と同じ様に、今日ゲームを買った連中だろうな。それに帷?よく見てみろよ?」
何かに気付いたらしい夏生が指差す方を眺めると……
「……女?が、どうかしたのか?」
「いやいや!案外、女性プレーヤーも多いな!とか思ったら何か更に楽しくなって来てよ。帷も、そう思うだろ?あはははっ」
「はぁ……あのなぁ。もう少し、さっきの状況に慌てろよ、お前は……」
「だいたいゲームなんだしワープくらいすんだろ?じゃなきゃつまんねぇだろが?」
「そうだけど……」
お気楽な夏生を見て落ち着いた俺が立ち上がり尻のよごれを手で払っていたら、またアナウンスが流れ出した。
『やぁプレーヤーの諸君。はじめましてかな?』
しかし、流れて来たアナウンスは先程とは違い今度は男の声だった。
「おい!あれ見ろよ帷!」
また夏生が何かに気付いたらしく、その指差す方へ振り向くと……
「なんだあれ……」
何も無い上空に怪しげな死神の仮面を被った人物が写し出されていた。