エクセル・インフェルノ
上空に突如、写し出された死神に目を移すと同時に、死神は明るい声で話しを続けた。
『私は、このゲームを作った人物であり……そして、このゲームに置ける最終ボスでもある名を……そうだな『デスサイズ』とでも言って置こうか!あははは!』
その垢抜けた喋り方にプレーヤー全員が呆気にとられ口を開けたまま固まっていた。
若干ひき気味のプレーヤー達を他所に、その在り来たりな名前のデスサイズさんは話しを続ける。
『先ずは、この完全仮想世界を気に入って頂けたかな諸君!どうだね。リアルだろう?そして君達自身も現実世界ありのままの姿だ。それがリアルに拍車をかけないか?あははは』
この言葉で先程の疑問の一つが解決した。
やはりアバターなどは無く実際の現実世界と同じ自分の姿のままで冒険すると言う事だ。
『では皆も感動した所で始めに職業について説明しよう。なのでシステムウィンドウを開きたまえ諸君。やり方は、ただ指で空を撫でるだけだ』
その指示通りに皆が人差し指で空を撫でいた。そして勿論の事、俺もやってみた。
すると何もなかった空間に白く発光した文字が浮かび上がり見ると、『並び写し出されていた。
『皆、開いたね?では次に、一番右上の項目のステータスをクリックしたまえ』
言われた通りにクリックすると開いた先には上から……
『HP、MP、力、防御、素早さ、回避、命中』と並び、一番下には『職業』と記載されていた。
だが、その職業を何気に見た瞬間に思わず声をあげてしまった。
「えっ?ニートってなってますけど俺!」
その叫びが聞こえたらしくデスサイズさんは笑いながら答えた。
『あははは!ニートとは無職って意味だよ?』
「いや……説明しなくても解りますから」
『あははは!しかし、気にしなくても大丈夫だ。このゲームでは皆が最初ニートだ。つまりは無職の状態だ』
なるほど。ただ無職って素直に書くより少しプレーヤーを馬鹿にしたくてニートにしただけの話しだと理解したが……とても笑えなかった。
「じゃあ職業は、どうやったら就けるんでしょうか!」
ゲームマスターの変な遊び心に呆れていると皆の疑問を誰かが代表して尋ねてくれた。