エクセル・インフェルノ
(どう言う意味だ……本当に死ぬ?)
デスサイズさんの言っている意味が解らず考えていると隣で黙って聞いていた夏生が急に叫んで質問をした。
「どう言う意味だよ!本当に死ぬって!言っている意味が解らねぇ!」
『ふむ。それは、そうだろな。これは確かにゲームだからね。困ったな……さて何て説明しようか……』
夏生の質問に困っているデスサイズさんに向け一人の男が怒り気味に叫び出した。
「たかがゲームなんだから、もう良いだろ説明会!早く始めろよ!こっちは高い金払ってんだよ!」
その男の叫びでモニター越しでもデスサイズさん……いやデスサイズの雰囲気が変わるのが解った気がした。
『君に、このゲームをやる資格は無い。一人目の脱落者が早くも出た様だ』
今までの、ふざけた口調とはうって代わり低く不気味なトーンで言ったデスサイズがモニター越しに、そいつを指差し言った……
『…………デス・ハーデス』
それを言われたと同時に叫んだ男は胸を苦しそうに抑え地面に倒れ、のたうち回り青白く発光し……粒子となり消えた。
その光景に皆が絶句していたが俺は未だに何が起きたか理解に苦しみ冷静になれずに「何かの余興なんだ!」と自分に言い聞かせた。
だがデスサイズは不気味に笑い俺達を恐怖の底に落とすかの様に畳み掛けて来る。
『見たまえ諸君!これがゲームの脱落者の末路だ!』
その言葉に一斉に皆がスクリーンを見た。そこには……
先程の男がベッドの上で同じ様に苦しみ……そして息絶えるのが写し出されていた。
「お、おい夏生!あ、あれって……多分あ、あっち……現実世界だよな?」
「あぁ。どんな仕組みか知らんが現実世界でも本当に死ぬ仕様らしいな」
「ほ、本当に死ぬって……てか犯罪だろ!どうやったか知らんがデスサイズがやったんだろ!立派な殺人じゃねぇか!」
「帷!このゲームはヤバい!ログアウトするぞ!」
「お、おう!」
頭がパニックになっていたが冷静な夏生の判断に助けられログアウトする為に急ぎシステムウィンドウを開いた。しかし……
「な、ない!ログアウトの項目が無い!夏生!」
「ちくしょう!誰も逃さないって腹か!何が目的だ!この変態仮面やろうが!」
夏生が物凄い形相でデスサイズに向かい怒り叫んでいた。