最後の恋にしたいから
あ〜、早く電話を切りたい。

これ以上話していると、心臓がもたないって。

そんな私にさらに追い討ちをかけるように、課長は続けたのだった。

「オレ、奈々子の恋愛対象になれるかな?」

「えっ⁉︎ なんで急にそんなこと聞くの⁉︎」

「いや、だって……。さっきからお前、マジて可愛すぎるから。オレは奈々子と、恋愛したい」

その言葉は私を完全にノックアウトしてしまい、自然と仰向けに倒れこんだのだった。

ベッドにそのまま寝転がった私は、今度はスマホを両手で持った。

ストレートな言い回しに、パニック状態だ。

「ちょ、ちょっと待って。祐真さん、私たちほとんど関わりがなかったし、急に恋愛とか言われても……」

戸惑いを隠せず、ほとんどまくしたてるように言った私に、課長はいたって冷静に言葉を続けた。

「だからそれは、これから知っていけばいいだろ? オレは、奈々子をもっと知りたい」
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