ぺピン
「えっ…?」

京香は訳がわからないと言うように聞き返した。

「1度だけ、俺に抱かれて欲しい。

そうしたら、もう2度と仕事以外で上杉さんに近づかないから」

続けて言った恭汰に、京香はためらっている。

京香の唇が開いた。

「1回だけで、いいんですね?」

そう聞いてきた京香に、
「うん、1回だけ」

恭汰は首を縦に振ってうなずいた。

「私が1回だけ先輩に抱かれれば、先輩はもう2度と私に近づかないんですね?」

続けて念を押すように聞いてきた京香に、
「ああ、もう近づかないさ」

恭汰は答えた。
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