ぺピン
「――一馬さん…」

名前を呼びながら、頭の中で一馬の姿を思い描いた。

だけど、浮かんできたのは恭汰の顔だった。

(どうして、先輩が…?)

京香は強く目を閉じると、
「――一馬さん…!

一馬さん…!」

何度も一馬の名前を呼び、頭の中で一馬の姿を思い描こうとした。

しかし、頭の中に浮かんできたのは恭汰の顔だった。

(何で…?

どうして…?)

「京香?」

その声に目を開けると、不思議そうな顔をしている春馬と目があった。
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