ぺピン
「おい、大丈夫か?」

春馬がトイレにやってきた。

彼のそばに都がいないことを確認すると、
「春馬」

京香は名前を呼んだ。

「どうした?」

そう聞いてきた春馬に、
「もしかしたら、妊娠したかも知れない…」

京香は声をひそめて質問に答えた。

「えっ!?」

驚いて聞き返した春馬に、
「声が大きいわよ。

都に聞こえたらどうするの?」

京香はたしなめるように注意した。

「いや、だって…ウソだろ?」

続けて聞いてきた春馬に、
「もちろん、確証はないわよ。

ただ単に遅れてるって言うだけのこともあるし…」

京香は呟くように答えた。
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