ぺピン
「そろそろ、仕事に戻る」

お腹に当てていた手を離すと、春馬は言った。

「返事はいつでもいいから、よく考えてから答えを出してくれ」

「いいよ」

そう言った京香の顔を、春馬は思わず見つめた。

「いいのか?」

そう聞いた春馬に、
「不安だったの。

1人で育てるなんて強気なことを言ったけど、いざ妊娠してるってことがわかった瞬間怖くなった。

だから、春馬がそう言ってくれて嬉しかった」

京香は言った。

「でも…私が愛しているのは、一馬さんだけだから」

続けて言った京香に、
「わかってる」

春馬は答えた。
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