ぺピン
水曜日――京香の歓迎会の日を迎えた。

「カンパーイ!」

歓迎会の会場は新鮮で美味しい魚料理が売りの飲み屋だった。

お酒を飲みながら楽しそうに談笑している京香を、恭汰は遠くから見ているだけだった。

宛てがあったと京香は言っていたが、彼女は都をどこに預けたと言うのだろう?

「あれ?

渋谷くん、あんまり飲んでないね」

そう言って話しかけてきたのは課長だった。

「体調悪いの?」

課長が恭汰の額に自分の手を当てた。

「いや、そう言う訳ではないですよ…」

恭汰は半分ほどグラスに残っているビールを喉に流し込んだ。

半ば無理やり流し込んだビールはぬるいうえに、いつもより苦かった。
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