ぺピン
「どうしよう…」

恭汰は首を動かして周りを見回した。

ピンク色のネオンがいかがわしい看板が視界に入った。

一瞬躊躇してしまったが、
(上杉さんの具合がよくなるまでだ)

恭汰はそう言い聞かせた。

「上杉さん、立てる?

少し休もうか?」

そう話しかけた恭汰に答えるように、京香は立ちあがった。

いかがわしい看板が目印の建物に入ると、部屋をとった。

「上杉さん、もう少しだからね」

何度も京香に話しかけながら、恭汰は部屋へと足を向かわせた。

部屋のドアを開けると、
「はい、中に入って」

トイレに京香を放り込んだ。
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