ぺピン
恭汰は息を吐くと、部屋を見回した。

こう言う場所に入ったのは生まれて初めてだった。

「ベッドがデカいにもほどがあるな…」

部屋の真ん中を占領しているベッドはクイーン…いや、キングはあるかも知れない。

京香がトイレから出てくるのを待ちながら、恭汰はベッドのうえに腰を下ろした。

この部屋はそう言うことをするための場所だと言うことはわかっている。

今の時間の確認をしようと、恭汰はスーツのポケットからスマートフォンを取り出した。

スマートフォンの画面は夜の9時を過ぎたところだった。

ガチャッと、ドアが開いた。

京香が部屋に顔を出した。

「具合、大丈夫?」

そう聞いた恭汰に、京香は答えなかった。

まだ具合が悪いのだろうか?
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