ぺピン
京香が恭汰が座っているベッドに歩み寄ってきた。

「う、上杉さん?」

歩み寄ってきた京香が自分と同じ目線にしゃがんだ。

そっと、大事なものを扱うように京香が恭汰の頬に手を添えた。

「上杉さ…」

名前を呼ぼうとした恭汰の唇を京香がふさいだ。

(――今、上杉さんにキスされてる…?)

突然のことに恭汰は訳がわからなかった。

京香は、まだ酔っているのだろうか?

そう思った時、背中に柔らかい感触を感じた。

京香に押し倒されたと気づいたのはすぐのことだった。

それまでふさいでいた京香の唇が離れた。
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