ぺピン
 * * *

恭汰が高校3年生になったばかりの頃だった。

彼が所属していた吹奏楽部に10人の新入生が入ってきた。

その新入生の1人が京香だった。

「初めまして、上杉京香です」

高校生とは思えないその大人びた美貌に、部員全員がみんな彼女に見とれた。

その中でも、恭汰は京香のことを見つめていた。

これが、恭汰と京香の初めての出会い。

そして、自分が初めての恋に落ちた瞬間だった――。


抽選の結果、京香はトランペットを担当することになった。

同じくトランペットを担当していた恭汰は、彼女と一緒の楽器を担当できることを心の底から喜んだ。

「よろしくね、上杉さん」

そう言った恭汰に、
「よろしくお願いします」

京香は言い返した。
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