ぺピン
 * * *

京香が一馬と出会ったのは、小学6年生の時。

彼は7つ年上の姉、上杉東子(ウエスギトウコ)の友人として現れた。

「ただいまー」

リビングで読書をしていた京香は東子を迎えるため、玄関へと向かった。

大学生の姉がこの時間に帰ってくるのは久しぶりだった。

「お帰りなさい、お姉ちゃん」

玄関に顔を出すと、
「こんにちは」

東子の隣に背の高い男の人がいることに気づいた。

「お姉ちゃん、この人は?」

彼を指差した京香に、
「お姉ちゃんのお友達よ」

東子は笑いながら答えた。

それから彼に視線を向けると、
「この子は私の妹、京香って言うの」

そう言って京香を紹介した。
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