ぺピン
「ありがとう、目黒くん」

一馬の手からノートを受け取った東子は嬉しそうにお礼を言った。

姉のその様子に、京香が気づかない訳がなかった。

(お姉ちゃん、目黒さんのことが好きなんだ…)

「他のヤツにノートを貸してもらうよう頼めばいいじゃん。

上杉、友達多いだろ?」

呆れながらそう言った一馬に、
「だって、目黒くんのノートが1番わかりやすいんだもん」

東子は嬉しそうに笑いながら言った。

一馬と話をしていることが楽しい、と言うように。

(違うもん。

私の方が目黒さんと一緒に過ごしているんだもん)

楽しそうに話をしている2人を見ながら、京香は心の中で呟いた。
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