ぺピン
中学2年生の夏だった。

「私、つきあうことにしたの」

照れくさそうに言った東子に、
「えっ…?」

京香は訳がわからなかった。

宿題をしていた京香の部屋に東子が入ってきたと思ったら、彼女はそんなことを言った。

「つきあうって…お姉ちゃん、彼氏ができたの?」

聞き返した京香に、
「うん」

東子は首を縦に振ってうなずいた。

「わーっ、おめでとう!」

姉に彼氏ができたのは初めてのことで、京香は手をたたいて祝福した。

「それで、彼氏ってどんな人?」

続けて聞いた京香に、
「京香も知っている人よ」

東子が答えた。
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