東京片恋専科。

ーー希's side





カーテンの隙間からこぼれる光に、ふと目が覚める。


いつもと違うベッド、布団、天井…寝ぼけた頭で一瞬自分の状況が分からなくなり、慌てて身体を起こす。
そして床で気持ちよさそうに眠る、自分の片思いの相手を見つけ、胸の高鳴りとともにようやく自分がどこにいるか思い出した。



もちろん事故だったけど、キスしたことも。



《…寝ていてもかっこいい…そして少しかわいい…》


初めて見る好きな人の寝顔に思わず口が緩む。


《いまのうちに寝顔の写真撮っとこう!!》


なんて、変態丸出しで自分のスマホをカバンからガサゴソと探して。電源を切っていたものだから電源を付けて……




現実をようやく思い出す。





不在着信、5回。

未読メール、8件。
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