東京片恋専科。
ちなみに私たちは政治経済学部というちょっとお堅い学部の学生で、この学部には女子が男子の2割程度しかいない。

この日はクラスの約半分の15人ほどが飲み会に参加したが、女子は私たち3人だけだった。

私たちはこの後も自然と3人でよく集まり、話をするようになる。


少し話が脱線したが、私はこの日広瀬くんの言葉を聞いてこう思った。



《今はそのときじゃない。》

ーーーていうか恋愛経験ゼロの私とはレベルが違いすぎる。

こうして私はこの後今に至るまで、自分を好きと言ってくれるひとと3度ほど付き合った。
もちろん軽い気持ちで付き合ったわけではない。できれば私も同じように好きになりたいと思っていたし、それなりに楽しくお付き合いはしてきたつもりだ。そもそも恋愛とはどういうものか自分には分かっていなかったから、恋人ができればわかるとも思った。

でも毎回、半年もしないうちに心がもやもやとしはじめてたまらなくなり、私から別れを告げてきた。

広瀬くんもその高校のときからの彼女とはその年の冬には別れたようだけど、そのときは私に初めての彼氏ができたところだったし、その後も私に彼氏がいないときは広瀬くんに彼女がいたりして、私たちはことごとくタイミングが合わなかった。

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