東京片恋専科。
▸2 はじまりは甘いキス
「俺んちすぐそこだし」
そう言って広瀬くんはニコッと微笑む。良いのか悪いのか、下心は全くない、ただの人助けであることはその表情からすぐ分かる。
「ぜひ、お願いいたします…」
私はふたつ返事にそう答えた。そして、少し大げさに頭を下げる。そんなふうにわざとらしく振舞わないと、気持ちがバレてしまいそうで。
《このタイミングでこんな助け舟、乗らない手はない。もしかしてついに私の番が来たのかもしれない…!》
私はすっかり浮かれて、広瀬くんの家へ向かう足取りもなんだかふわふわしてしまう。
繁華街を抜け、静かな夜の街をふたりで歩く。そんなことすらも、初めてのシチュエーションである。
《一体私はこの2年と少しの時間、何をしていたんだ…》
ふと自分が随分と遠回りしていたことにいまさら気付く。
そう言って広瀬くんはニコッと微笑む。良いのか悪いのか、下心は全くない、ただの人助けであることはその表情からすぐ分かる。
「ぜひ、お願いいたします…」
私はふたつ返事にそう答えた。そして、少し大げさに頭を下げる。そんなふうにわざとらしく振舞わないと、気持ちがバレてしまいそうで。
《このタイミングでこんな助け舟、乗らない手はない。もしかしてついに私の番が来たのかもしれない…!》
私はすっかり浮かれて、広瀬くんの家へ向かう足取りもなんだかふわふわしてしまう。
繁華街を抜け、静かな夜の街をふたりで歩く。そんなことすらも、初めてのシチュエーションである。
《一体私はこの2年と少しの時間、何をしていたんだ…》
ふと自分が随分と遠回りしていたことにいまさら気付く。