小宮の隣・俺のモラル
小宮の部屋で1人になり、さっきより冷静に考えられる。
「女に興味ないってことは、男を好きになるのか…。」
ボソッとつぶやいてしまう。
んじゃ男の俺も恋愛対象ってことになる。
俺は、今日ここに泊まって大丈夫なのか…。
やっぱり、帰った方が良かったんじゃ…。
いや、きっと酒も入ってるせいだろう。
いつもは、あんな小宮じゃないし、あんなことしてこない。
けど…俺は、小宮とキスしちゃったんだよな…??
そもそも、恋愛は男女間だけでするもんじゃないけど…。
俺の思考はグルグル回り、考えても考えても正解にはたどり着けない。
「由希ー。上がった。お前も入れよ。」
「あ、あぁ…。」
言えない。
やっぱり、タクシーで帰るなんて言えない!!
小宮は、傷つくだろう。
そもそも、俺が変に気にしてるって思われるもの嫌だ。
「んじゃ、風呂借りるわ…。」
いや、風呂を借りてどうすんだ?
替えの下着もないし、服もない。
「あ。由希ー。俺の部屋着出しといたから、よかったら着て。んで、下着は俺の新しいやつでよかったら、あるから使って。」
なんて、気が利く奴なんだ。
って…関心してる場合じゃない!
「ありがとな…。」
「はーい。」
風呂に入ると、男の一人暮らし仕様の物しか見当たらない。