小宮の隣・俺のモラル
「んだよ…女っ気ゼロじゃん…。」
男もんのシャンプー、洗顔…。
メイク落としくらいあったら、冗談かー!って笑い飛ばせたのに…。
ってか!
なんで、キスしただけなのに、こんなに小宮のこと考えてるんだ…。
「…あー…もうわかんねー…。」
シャワーにうたれ、考え込んでいた。
その頃小宮は…。
「…………何やってんだ俺は…。」
由希に勢いでキスしちまった。
完全に嫌われたよな…。
けど、帰るって言い出さなかったし、今風呂入ってるし…。
「あー!ったく…変だろ…。期待しちゃうだろ…バカ。」
こんなに、キスしたことを後悔することは今までなかった。
「…風呂サンキュー…。」
あ。上がったみたいだ。
「おぉ!お帰り!つーか、もう4時だな。寝ないと明日ヤバいよな?」
思ってもいないことを言ってしまう。
「ん。そうだな。俺にここのソファー貸してくれ。」
「いや、由希は俺のベッドで少し寝てくれ。」
明日彼女とデートなのに、ソファーなんかで寝て風邪でも引かれたら困るだろ。
そう言って由希を自分のベッドへ促した。