小宮の隣・俺のモラル
「べ、べつに逃げてねーよ!」
「動揺しすぎ。んじゃあ、逃げてないってことは…。」
俺の身体の上に手を回し、そのまま抱きしめてくる。
「こ、小宮っ!!!」
「こーゆーことしていいってこと??……由希…俺と同じ匂い。」
耳元で、囁かれてゾクッとしてしまう。
有り得ない状況なのに…。
「ちょ…小宮…!!近い。」
「知ってるよ。わざとだから。…由希。力抜いて。」
頬に優しく触れられて、ギュッと目を瞑る。
これじゃ…小宮を受け入れているみたいで…。
「そんな、動かないとキスするよ?」
「はぁ?…っやめ……っ!!」
啄むような柔らかいキス。
「由希………んん……っは…。」
「ふっ……っんん!!…っ…。」
小宮の舌が絡められて息が出来なくなりそうだ。
「っはぁ…由希…もっと舌絡めて…。」
「…や…やめっ!んんん!」
優しい小宮の指先は、俺の髪を撫でる。