小宮の隣・俺のモラル
「……小宮…??」
静まり返った家の中。
ふと目に留まったのが、手紙と鍵。
おはよ!
用事あるから出掛けてくる!
戸締まりよろしくな!
悠
「んだよ…。」
気まずくて、どんな顔して会えばいいかわからなかったから、好都合だった。
けれど…。
なんだ?このモヤモヤした感じ。
「ダメ!ダメ!」
小宮に借りた部屋着を脱衣場に置き、煙草くさい服に着替えた。
‘…俺と同じ匂い。’
‘彼女と別れろよ。’
昨日の小宮の言葉を思い出してしまった。
気持ちを切り替えて、これから彼女に会うんだ!
何思い出してんだよ…。
俺は、足早に小宮の家を後にした。