小宮の隣・俺のモラル
小宮悠の過去
「悠ー♪ねぇ、今日は一緒に居られるんでしょー?」
「んーごめん…今日は、ダメなんだよ。」
大学時代、俺は女に困ることはなかった。
皆、かっこいいとか言って寄ってくるけど…本当は、俺の中身なんか見ちゃいないんだよな。
「えぇー!いつもダメじゃんー!いつなら、いいの?!私以外に女いるんでしょー?!」
あー。面倒くさい。なんで、こんなに詮索してくるんだよ。
というか、女友達の1人にすぎないんだけど、いつから勘違いしてる?
どうやって、逃げようか…。
「小宮ー!ちょっといいかー?」
お!ナイス!
「ごめんな!また今度!」
女に背を向けて、声のする方へ向かった。
…濱村だ。
「小宮ぁ…本当いつも大変そうだな…。」
「まーな。けど、サンキュー!助かったわ…。んで、用事ってなぁに?」
今俺を助けくれたのは、濱村由希。
俺より背が低くて、黒髪がよく似合う、真面目な奴。
俺とは正反対だ。
「…別にねーよ。」
「んじゃ本当に助けてくれたのかー?!」
俺は、濱村のサラサラの髪をクシャクシャと撫でる。
「ちょ…!やめろ!」
不器用だけど、本当いい奴。
少し、照れてるとこも可愛い。
「んだよー!せっかくだから、どっか行こーぜー!」
この時くらいからか?
濱村の優しさがわかるようになったのは…。