小宮の隣・俺のモラル
「はぁ…。」
濱村の代わりを…と思ってバーへ行ったけど、結局は濱村しかいないって実感させられただけ…。
たくさん飲んだせいで、クラクラする…。
人肌恋しー…。
「もう、フラフラじゃないか。」
振り返ると、さっきのバーで飲んでいた人…。
里見さん…だっけ?
「あ。どうも…。」
「1人で帰るのか?」
「はい。」
「そんな、フラフラして…送って行くよ。」
そういうとタクシーを探し、乗り込んだ。
「本当…すみません…。」
「大丈夫だよ。俺もそんな時あった。そうだ…名前聞いてなかったよね?」
「小宮悠です。」
車に揺られると、気持ち悪くなってきた…。
「俺は、里見翼。悠くん?顔色悪いよ…。」
あー…ダメだ。意識が遠くなってきた…。
つーか、下の名前で呼ぶなよ…。濱村だって呼んでくれないのに。
俺は、この記憶が最後だった。