小宮の隣・俺のモラル
しかも!洋服着替えてる!!!
「あのー…里見さん…?俺の洋服は…?」
「今、洗濯中♪乾いたら着て帰りなよ。でも…電車もないし、あんだけ飲んだんだから、一晩泊まっていくのもありだと思うけど?」
この人完璧すぎて……眩しい…っ!!
甘くて優しい声が俺の身体に入り込んでくる…。
「では……お言葉に甘えて…。」
「うんうん♪何かあったら、呼んでよね?水置いておくからさ。」
つーか、この人…あわよくば、ヤろうって思ってたんじゃないのか??
「あの!里見さん!……こんなこと聞くのどうかと思うんですけど…俺とヤろうとか思わないんですか…?」
里見は、驚いた顔をした。
そして、優しく頭を撫でる。
その手が気持ちよくて…もっとしてほしいって思ってしまう。
「悠くん…。俺は、そんなに飢えちゃいないよ。悠くんの気持ちも良くわかるし、悠くんを大切にしたいって思う。だから…。」
嘘だ…。
俺は、濱村が好きで、すぐに自分のモノにしたくて、抱きしめてキスして、この手で……めちゃくちゃに抱きたいって思うのに。
こんな、欲にまみれてるのに…。
こんなオレじゃ濱村も好きになってくれるはずがない。
ダメだ。頭がパンクしそうだ…。
もう、何も考えたくない。
「里見さん…俺を……抱いてくれますか?」
「っ!!…………一度言った言葉は、戻せないよ?」
そうして、始まった俺たちの関係。
付き合うとかじゃない。
単なるセフレみたいなもんだった。
けど、それが都合いい。
里見さんと居るときだけは、濱村のことを忘れられた。
こんなの間違ってる。
自分がよく分かってるけど…。
若かった俺は、やめられなかったんだ。