小宮の隣・俺のモラル
揺れる思い
小宮と肌を合わせてから一週間…。
俺は、色んなことを考えたり、ネットで調べたりした。
小宮を理解出来ないわけではないし、人として好きだし、尊敬してるけど…
「わかんねぇよ…。」
何がわからない?
何が怖い?
俺は…小宮と一線を越えたんだ。
小宮はどう思ってる?
いても立ってもいられなくなった俺は、小宮の所へ走った。
電話をかけても、小宮は出ない。
不安と焦りが入り混じっている。
聞きたいことは、たくさんあるし、俺の気持ち、どうしてくれるんだ…。
ー♪ー♪ー
チャイムを鳴らすが、応答がない。
マンションだから、入れるはずもない。
ここで諦めたら、何か変わるか?
…小宮っ!!頼むっ!!
『はい…って…由希?』
小宮の声だ…。
「ごめん…いきなり。電話しても繋がんなくて…。」
声が震える。
『今ちょっと来客中で…。』
会えないと思うと、ショックだった。
やっぱり、小宮は都合いいときだけ、俺を相手してたんだ。小宮を相手するトモダチなんて沢山居るんだった。
「あぁ。ごめん。また今度にする。」
『由希!ちょっと待って!せっかく来てもらったのに…。』
「大丈夫だから。本当悪い。んじゃ。」
『やっぱり、待て!鍵開けるから、上がってきて!』
自動ドアが開いた。
このドアが閉まれば中には入れない。
けれど、俺は入らない勇気はなかった。
自分の気持ちに素直になって、小宮の部屋へ足を運んだ。