小宮の隣・俺のモラル

朝、忙しく過ぎる時間。
いつもと変わらない朝。
普段通る通勤路。

「はぁ…。」

ただ出るのは溜め息ばかり。

毎朝この場所で悠に合うのに、今日は姿が見えない。
悠の後ろ姿が見え、挨拶をする。

「小宮おはよう!」

「おはよう。」

あれ?
いつもより、かなり素っ気ない挨拶だな…。
しかも、目も合わせてくれない。

蘇るのは昨日の電話でのやりとりだった。
もしかして、昨日のことで怒ってるのか?

腑に落ちないまま仕事へと取りかかった。

自分でも驚くくらい、仕事が進まない。
頭の片隅にいるのは、悠の朝の素っ気ない反応だった。

「週の始めから残業か……。」

時間はどんどん過ぎていって、21時を過ぎていた。

こんな気持ちになるなんて、おかしい。
ちゃんと、切り替えていかないと…。
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