小宮の隣・俺のモラル

「時間作ってきた。話って何？」

悠の顔を見れただけで、こんなに嬉しくなるんだ。
けど、素っ気ない態度に悲しくもなる。


「ごめんな。いきなり…。ここじゃなんだから、上がっていかないか？」

「ん…そうする。」

なかなか話を切り出せずにいると悠が先に口を開いた。


「どうしたんだよ。改まって。何でも話せよ。友達だろ？」

やっぱり悠は、この間のことを怒ってるんだと確信した。

「もう、友達じゃない。」

「どういうことだよ…。なに？じゃあセフレなの？俺ら。」

もっと、素直に誤解されないように言わないと…。

「セフレでもない。友達以上に悠のこと好きなんだ。」

「………………。」

悠は、黙ったままだ。

「悠の素っ気ない態度で悲しくなったり、こうやって顔見れただけで嬉しくなったり……仕事が手に着かなくなったり…すごい一週間だった。自分で思ってたより、悠の存在が大きかったんだよ…。」

やっと思いを言えた。

「……で？」

「…でー………どうしたらいいんだ？」

わからなくて、質問してしまう。

「好きだから何？」

好きだから……付き合う？でも、男同士で付き合うってあるんだよな…？
でも…この悠の反応は、脈なしって感じだよな。
色んな考え方がグルグル回って、混乱してしまう。