小宮の隣・俺のモラル
「由希ー!こっちー!」
急いで悠へと駆け寄る。
悠は、遠目で見てもすごく格好いい。
身長も高いせいか、周りの人より目がいってしまう。
惚れた弱味か…。
「ごめん!少し遅くなった!」
「大丈夫だよ。行こうか!」
「待ってる間、何もなかったか?」
突然、変な質問をしてしまった。
「え…?なに、由希見てたの?」
「見てない!何あったの?」
「あー…。話掛けられただけだよ…。」
予想外の回答。
「女?男?」
「どっちも…。」
想像を遥かに超える回答。
まぁ…そうだよな。
こんだけ、綺麗な顔してれば…。
「そっか…。俺が待たせたから。悪かった。」
「由希怒ってるの?」
怒ってるわけじゃない。
でも、女も俺の敵かと思うと、気が遠くなってくる。
「いや。怒ってるって言うか…よくわかんない気持ち…悠が好きだから。」
「っ!!」
ーグイっ!ー
悠は、俺の腕をいきなり引っ張り、歩き始めた。