小宮の隣・俺のモラル

肩を掴み、起きあがらせる。
小宮の頬は赤らんでいて、目が潤んでいる。
なんつー顔してんだよ。

「俺…酔っ払ってる…クラクラするわ。由希ごめんな…?」

何に謝っているのかよくわからない。

「……?」


俺は今…。
唇に温かくて柔らかい感触。
俺の目の前にいるのは、同期の小宮で……

男だ。


「…っおい!俺だぞ?!女と勘違いしてんだろ?!」

驚いて声が上ずってしまう。

「…してない。……っつ…んん…。」

「小宮っ…!ん!……っは……!」

唇が触れるようなキスではなく、俺に入り込んでくるようなキス。

「……っ!…小宮っ…やめ…っ!!冗談よせ…っ!」

よくわからないが、俺の顔は赤くなっているだろう。

「嫌だ。冗談でこんなことするかよ。由希だって、顔赤いよ。」

きっと、いつも以上に酔っ払ってるせいだろう。そう自分に言い聞かせる。
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