チョコレート王子と甘い恋。
廉斗くんは王子様なんです。
「皆、このクラスの転校生を紹介します」
ドキドキ、ドキドキ。
「は、はじめまして!
葉月緩菜です。よろしくお願いします」
あたし、葉月緩菜(はづきかんな)
高2の春、この学校へ転校して来ました。
そしてこの町へ、
12年ぶりに帰って来ました。
ーーーーーー……
「葉月さん!緩菜ちゃんって呼んでいい?」
「もちろんいいよ!」
休み時間、あたしの席の周りを囲むようにたくさんの人が集まっている。
「緩菜ちゃん髪色可愛いね~」
「えへへ~、ありがとう!」
中学生の時この色に憧れて、
先生に怒られる覚悟で染めてそれから今日までずっと栗色。
「緩菜ちゃんちっさいよね~!なんせんち?」
うぅ……それはきにしてるのに。