チョコレート王子と甘い恋。


そうだよね。
いくら苦手でも毎日ご飯一緒に食べてるし、廉斗くんの親友みたいだし、

チャラチャラくんってのは失礼だよね。



「じゃあ奏汰くん、卵焼きあげるよ」

「え、まじ?緩菜ちゃんが作った卵焼き食えるとか幸せ~」


幸せって……大袈裟だよ。
これ、失敗作なんだから。



「奏汰くん、あーんし
「緩菜ちゃん」



『あーんして』
その言葉は廉斗くんによって遮られた。


緩菜ちゃんとあたしを呼んだときの廉斗くんは一瞬顔つきが怖かったけど、

今はいつもの笑顔だからきのせいだろう。



「俺がたべる」

「え?」

「だーかーらー、それ俺たべるから緩菜ちゃんは俺の食べて」



廉斗くんはひょいっとお弁当を奪って自分のメロンパンとチョコパンをあたしの手におく。



「緩菜ちゃんの手作り~。いただきま~す」


廉斗くんはしょっぱい卵焼きを口まで持っていきそれを躊躇なく食べた。


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