チョコレート王子と甘い恋。
「緩菜ちゃん見てればわかる」
え!あたしそんな顔に出してた?
どうしよう、廉斗くんに気づかれてたら……
「柊には気づかれてないよ。あいつ鈍感みたいだし」
なんだ……。よかった。
ホッと胸を撫で下ろすと雅くんは一歩あたしに近づいて手を差し出してきた。
「ん?どうしたの?」
「握手。友達としてよろしくってこと」
友達として……
一度振った相手だけど友達としてならいいよね?
「えへへ、よろしく」
握った手を雅くんはぎゅっと強く握り返してきた。
「あたし廉斗くん待たしてるからもういくね?」
雅くんは手を離してニッコリ微笑んで
「また明日」
そう言ってくれた。