チョコレート王子と甘い恋。
それに答えるようにあたしも微笑んで
廉斗くんの待つ教室へと足を運んだ。
早く廉斗くんと帰りたくて、
廉斗くんに緩菜ちゃんっていってもらいたくて、
教室まで一度も振り返らずに小走りした。
だからわからなかった。
雅くんがニタリと笑って
『緩菜ちゃんこれからよろしく』
って呟いていたことに。
それと雅くんの言う
『よろしく』の意味に。
気づくのはもう少し先の事。
ーーーーーー……
「廉斗くん!」
「緩菜ちゃんやっと来た」
廉斗くんはあたしの席に座っていた。