チョコレート王子と甘い恋。


それに答えるようにあたしも微笑んで
廉斗くんの待つ教室へと足を運んだ。



早く廉斗くんと帰りたくて、


廉斗くんに緩菜ちゃんっていってもらいたくて、



教室まで一度も振り返らずに小走りした。



だからわからなかった。




雅くんがニタリと笑って



『緩菜ちゃんこれからよろしく』



って呟いていたことに。




それと雅くんの言う




『よろしく』の意味に。





気づくのはもう少し先の事。








ーーーーーー……



「廉斗くん!」

「緩菜ちゃんやっと来た」


廉斗くんはあたしの席に座っていた。

< 38 / 86 >

この作品をシェア

pagetop