チョコレート王子と甘い恋。
「緩菜ちゃんいこ~」
放課後、雅くんがあたしの手を繋いできた。
「雅くん、手……」
「緩菜ちゃん歩くの遅そうだから俺がリードしてあげる!」
「……ありがとう」
素直に喜べないのは、廉斗くんじゃないから?
正直、繋ぎたくないけどそんなこと言えない。
「雅くん、他の子達ってどのこ?」
「あー…先に行っちゃった!」
「そうなんだ」
なんか、気分乗らない。
やっぱり、今日はやめとこうかな。
「雅くん、あたしやっぱり
「如月」
え?
「あ?なんだ柊、緩菜ちゃんなら今日は俺とカラオケだけど?」
廉斗くん?どうして……。
「あーそのことなんだけどわりーな、渡すわけにはいかないから」
グイっ
廉斗くんはあたしの腕をつかんで自分の方へ引き寄せた。