チョコレート王子と甘い恋。
そう思うと身震いする。
「如月、くん……あたし帰ーーきゃっ!」
「今さら帰さないから」
ソファ椅子に押し倒されたあたしは力の限り抵抗してみるけど、
如月くんの力には勝てない。
「そうだ緩菜ちゃん。緩菜ちゃんが泣いちゃう前に教えるよ。
柊廉斗の好きな人は、学校でも有名な可愛い女の子だよ」
「え?」
「それは本当だよ。あいつその子に溺愛してるからさ」
ねー…嘘だと言って。
そんなの、信じたくなんかないよ。
廉斗くんが、溺愛してるの?
溺愛するほどその子は可愛いの?
はは……そりゃそうだよね。
廉斗くんにだって……溺愛しちゃうほどの好きな人くらい、いるよね…。
それは覚悟したうえであたしはここにきたんだよね。
もっと早くわかってたら……、
あたし昨日あんなことしなかったのに……。
「あれ?緩菜ちゃんショックだった?でもまぁいいや!その方が俺には都合いいし」
全く抵抗しなくなったあたしを見てそう思ったんだろう。
でもね、図星だよ。
ショックってゆうよりも……、
『あー…あたしの恋おわっちゃったんだ』
って感じのが強いけど。
「緩菜ちゃん」
あ……如月くんの顔、近いな。
……………え?近い!?