チョコレート王子と甘い恋。
鈴本花梨。
のちに、あたしの大親友になるなんて、
まだこの時は知らない。
「それで、廉斗様ってゆうのはチョコレート王子の事だよ」
チョコレート、王子?
「見たらわかると思うよ!
なんで廉斗様って呼ばれてるのかも、
チョコレート王子なのかも!」
そんなこと言われたら行くしかないでしょ!
あたしは花梨とそのチョコレート王子がいる教室へと歩を進めたのだ。
「てか緩菜好きな人いるんだよね?」
教室へむかってる途中、花梨がそんなことを聞いてきた。
「その好きな人のこと教えてよ~」
「この話だれにもしたことないけど花梨だけには教えてあげる!」
「え、ほんと?やったー!
緩菜だいすき~」
廊下の階段でいきなり抱きついてくるから一瞬バランスを崩した。
「あたし5歳の時までこの町にいたんだけどお父さんのお仕事の都合で引っ越したんだ。
その時によく遊んだ近所の男の子が、
あたしの初恋なの」