嘘でも良い
2学年は全部で4クラスと規模は小さい。
教室を1つずつ覗きこみ、男子のみ数えた。
ラブレターを送ってきたのは男子だ。
だから、男子1人1人に聞けば良いんだ。
学年の男子を数え終え、全部で10人。
朝だから良かった、探しやすい。
そこまで考え、ハッと止まる。
同い年とは限らない。
1年かもしれないし、3年かもしれないじゃん。
あたしは1年と3年の教室を、全て覗きこんだ。
…多すぎる。
朝だから少ないだろうって油断していたけど。
人数が多すぎて、誰だかわからない。
ちなみに全校生徒の今現在いる男子を合わせて、全部で38人。
38分の1とか、範囲が広すぎる。
先生ってことも、あり得るのかな?
もしかしたら、昨日下校時にいれたのかも。
…搾りこむのは、困難に近かった。
しょうがない。
送り主がわからないんじゃ、返信が出来ないのは、相手も承知だろうし。
あたしは次に送られることを、待つことにした。
それまで、お姉ちゃんには内緒。
絶対に話すもんか。
今はまだ、あたしだけの秘密だもん。