嘘でも良い
「吃驚したなぁ、夏月に会うなんて」
近くのファミレスに入ったあたしたちは、お互いドリンクバーを頼んで、飲み物を飲みながら話していた。
「引っ越した時って急だったじゃない?
夏月ってば連絡先も教えてくれないんだもの」
「あの時はごめんね。
その時、あたしケイタイ持っていなかったからさ」
「だからこうしてまた夏月と話せるなんて、嬉しいな」
水月は笑顔で、コーラを飲む。
あたしもオレンジジュースを飲んだ。
「そういえば、相変わらず夏美ちゃん美人だね」
「そうみたいだね。
高校でも、男子たちに人気だよ」
「夏美ちゃん中学の時からモテていたもんねー」
それなのに女子から恨みを買うことがないんだから。
むしろ女子にも人気だったし。
…あの外面の良さのお蔭で。
「夏月はどうなの?
夏美ちゃんの妹なら、モテているの?」
「ううん、あたしはお姉ちゃんと違うから。
お姉ちゃん宛てのラブレターなら、よく受け取るけどね」
「夏美ちゃん宛てなら駄目じゃん!」
水月はアハハと笑う。
本当、明るい子だな。