嘘でも良い
それなのにお姉ちゃんが怪我して。
お父さんとお母さんが騒いで。
転校だって急に言い渡されて。
水月にお別れも言えないまま別れて。
…やっと、再会出来たと思ったのに。
酷い。
あんなことされるなんて。
今までのことが、全部嘘だったなんて。
もう嫌だ。
何で、何でよ。
あたしはその場に跪いた。
そしてアスファルトに、涙を流した。
止まることを知らない涙は、色が変わり、どんどんアスファルトに染み込んでいく。
周りの視線なんて、気にする暇がなかった。
そんなことより、誰かに支えていてほしかった。
あたしは胸元に抱きしめていたケイタイを見た。
そして、震える手で開け、とあるメアドを取り出す。
<涙って、
どうやったら止まるかな>
送信っと。