嘘でも良い
☆☆☆
「夏月、早起きじゃない」
「今日、あたし早く学校行くからね」
「夏美と行きなさいよ」
「お姉ちゃんにはメールしておく」
早く朝ご飯を食べ、あたしはガタンッと急いで立ちあがり、鞄を手に取り、家を出た。
早歩きしながら、色々考える。
手紙、来ているかな?
いつも以上の写真も。
そう思うだけで頬は緩み、早歩きになる。
最後の方は小走りなりながらも、あたしは学校に着いた。
上履きに履き変えず、あたしは下駄箱を開けた。
「……あった!」
相変わらず綺麗な月の封筒。
ぼやけた月、綺麗な星空。
本当にこんな景色を見てみたいと思った。
「うわぁ……!」
思わず声が出る。
中に入っていた写真は、本当にどの写真よりも綺麗な写真だった。