嘘でも良い








そして僕の鞄の中には、兄貴から頼まれた、越田夏美宛ての手紙が入っている。

字も文面を書いたのも、僕なんだけど。

送り主は、兄貴ってことになっているから。




誰もいないことを確認して、下駄箱を歩く。

兄貴が調べた結果、越田夏美は2年生らしい。

本当兄貴、将来ストーカーにならないか心配だね。




下駄箱を歩いた結果、2年生は4クラスあるらしい。

広いけど、下駄箱の扉の所には名前が書いてあるから。

1こずつ見て、越田夏美を探す。

てか越田夏美って、誰なんだろう?

まぁ兄貴が惚れた女子だ。

男子にも囲まれているって言うし。

そこそこ美人か可愛いんだろうな。




【越田夏美】




あった。

僕はもう1度誰もいないことを確認して、扉を開けた。




バサバサバサーッ




開けた途端溢れてくる、手紙の数々。

…え?



もしかしてこれ、ラブレター?

兄貴以外にも書く奴いるんだ。

僕は半ば感心しながら、手紙を戻していく。

戻すにも量が多くて、苦労した。







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