叶う。 Chapter1
プロローグ
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もしも、あの日俺がお前を眠らせなければ、全ては変わらなかったのだろうか?


隣で眠るお前の姿を見て、頬に流れるように張り付いた髪を払うと、お前は一瞬だけ眉をしかめた。


眠っているお前はすごく綺麗だと思う。


それは前と何も変わらない。


小さく寝息をたてるお前は、あの頃とちっとも変わらないのに。


あの日から、お前は壊れたままだ。


俺がお前を壊してしまったんだ。


だけど、心配はいらない。


例えお前がどうなろうとも、俺はお前の傍に居る。


“置いていかないで”と言って、俺の手を掴んだお前を俺は今でも鮮明に覚えてる。


大丈夫。


あの日にした約束は、今も色褪せずに記憶の中にあるのだから。



眠るお前の額に、キスを落とす。


いつかお前が目覚めた時に、全てを話そう。



それまではもう少しだけ、おやすみ・・・・。








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