叶う。 Chapter1
私の名前は“月島・アンナ・叶”
ツキシマ・アンナ・カナウ。
名前だけ見ると、すごくアンバランスでおかしい。
だけれど私の外見を見れば、誰でも違和感は感じないと思う。
理由は簡単な事で、私は俗に言う、ハーフと呼ばれる人種だからだ。
色素の薄い茶色の目、色素の薄い真っ白な肌、髪は生まれつき栗色で、多分どこの誰が見ても日本人には見えないだろう。
だけれどここは日本という国だから、私は普段は“月島 叶”とだけ名乗ることが多い。
長年付き合いのある人や、家族と呼べる人達は、私の事を“アンナ”と呼ぶけれど、私は正直アンナという名前が好きではない。
好きではないって言うよりは、どうでも良いっていう方がしっくりくる。