叶う。 Chapter1




「そういえばシオンは?」

「さぁ?寝てんじゃね?」

「昨日一緒じゃなかったの?」

「途中まで一緒だったけど、気付いたら居なかった。女とどっかいったんじゃね?」

「あら、あの子が珍しいわね。彼女でも出来たの?」

「いや、てきとーに遊んでる女じゃね?」

「はぁ、あんた達は本当に不誠実ね。」


ママは呆れたようにそう言うと、さっさと食器を水で流した。
私はそれを受け取って、食器洗い機に並べていく。

シオンが女の人と一緒に居た事を言おうか迷ったけれど、言葉を探しているうちに、レオンが突然思い出したかのようにこう言った。

「あー・・・そういえば、シオン最近よく同じ女と居るな。」

レオンは何かを思い出すかのように、上を向いた。

「なんか、すげー綺麗な子。」


私はその瞬間、昨日の女性の顔を思い出した。

「あら?じゃあ、彼女なんじゃないの?あんたと違ってシオンは真面目だからね。」

ママの言葉に、なんだか一瞬だけれど胸がむずむずとした。

「俺だって真面目だぜ?ちゃんとベッドでは大事に扱うし。」

レオンがそう言った瞬間、ママは平手でレオンの頭を叩いた。



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